歯医者難民、いい歯医者を探せ! その2

不要な治療か、必要な治療か?

病院にかかると、どうしても医者の言うことが絶対的に思えてしまう傾向が、特に日本人には強い気がする。それは、患者にも医師にも言えることだろう。だから、特定の治療を断ると「とんでもない非常識な患者だ」と思われてしまうことが多い。

だが、医療は選択だ。自己決定権がある。もちろんその分、責任も自分が負わなければならない。

ということで、歯の治療に関しても、納得のいかなかった自分は、「非常識患者」の汚名を背負いつつも、何とか某歯科医院を脱出し、セカンドオピニオンを得るべく、別の歯科医院を探し始めた。

その頃、テレビ番組で「あまり削らずに治療する方法」が取り上げられた。その方法を近隣で行っている病院を探した。比較的近場に該当する歯科があったので、そこに行くことに。

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セカンドオピニオン

来院の理由を「セカンドオピニオン」として受付を行い、いよいよ診察。事情を簡単に説明したところ、レントゲン等を用いて下された診断は?

「そんなことはありませんよ。ちょっとだけ虫歯ですけど、中は大丈夫ですよ。」

やはり・・・。勇気を持って逃げた自分に拍手を送りたい瞬間だった。

「どうされますか?」

こちらがセカンドオピニオンできているということだからであろう。当然治療をするという立ち位置からではなく、あくまでもこちらの意思を尊重するという姿勢だ。そうとなれば、こちらも信じてお任せしたい気持ちになる。そこで、治療もお願いした。

驚いたのは、その治療方法。本当に最小限しか削らないのだ。そして20分そこそこで治療が完了した。

あれほど、あれやこれやと治療を重ねなければならないと前歯科医に力説されていただけに、こんなに短時間で終わるとはいったいどういうことなのだろう?

(そんなん、詐欺にきまってんがな~)

そうは思いたくないが、ついついそう思えてしまう。

そして帰り際、受付で次回の予約か何かを促されると思いきや、全くその気配はなくただ「お大事に」とだけで送り出されそうになった。

慌てて、今後来なくていいのかを尋ねると、

「セカンドオピニオンですからね~」と笑顔で答える受付の女性。

驚いた。

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難民、ついにたどり着く!

正直、ここまで商売っ気のない歯医者があるとは驚きだった。

トータル的に考えて、こんなに良い歯科医がいらっしゃるとは思ってもみなかった。今後の「行きつけ」に即決定!

身内や友達にも紹介したが、みんな口をそろえて絶賛する。

まずはできるだけ今ある歯を大事に使わせる懇切丁寧な歯磨き指導、やたらと抜かない温存法削るとしても最小限。できるだけ最新の情報に通じて、効果的な情報・治療法はどんどん取り入れていく。

治療の時間も、患者一人一人にしっかりと取って、30分は必ず費やす。

歯科衛生士に対する態度も非常に丁寧で、常に敬語だ。

歯医者の鏡ではないだろうか。

こうして、歯医者難民生活は幕を閉じた。あとは、先生に長生きをしていただくことを願うのみである。

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歯医者難民、いい歯医者を探せ! その1

最近の歯医者

近年、コンビニエンスストアに並ぶ数の多さを誇る(?)のが、歯科医院である。そこかしこに見かけるため、患者もどこを選ぶか迷うくらいなのではないだろうか?

数年前のことであるが、行きつけの歯医者(喫茶店ちゃうで~。かかりつけって言いや~)が閉院したため、次なるところを探した。友人・知人やネットの評判などに当たってみたものの、それほど決め手となるものは見当たらなかった。仕方ないので、さほど悪くはなさそうなところに行くことにした。

最初は、自分が気になったちょっとした虫歯を診てもらい、数回かけて治療した。と、ここまでは良かったのだが、治療の具合を見せに来るように言われた最終日(☚自分的に)、

「はい、では今日からはここを削って治療していきます。」

と、いきなり言うではないか!!しかも、「ここ」というところを見ても、ほとんど問題がないようなレベルである。

ちょっ、ちょっ、ちょっちょっーと待ってよ、歯医者さん!

想定外の進展に、押し寄せる非常な焦り。

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歯科医 VS 過去の自分

「さあ、削りましょう」と言わんばかりにドリルを持って仁王立ちしている歯科医。

その瞬間、さかのぼること数年前の苦い記憶が蘇った。

それは、行きつけの歯科医(せやから「かかりつけ」やって)が決まる前、そう、歯医者難民の時代だ。別の歯科医院で同じように治療が済んだ後、「ここもちょと虫歯だからやっておきましょう」と言われ、疑うことを知らない純粋だった自分(今や過去形…)は素直に応じた。本当にちょっとだったので大したことにはならないと軽く考えていた。…が、結論から言おう。なんと、余計な治療を延々とされ時間とお金を取りまくられたうえ、見た目も酷くされてしまったのだ!!

その少し後に、テレビで儲け仕事にしている悪質な歯医者が急増しているという番組を見た。まさにそれだ!その後、友人も同じような被害にあちらこちらで遭った話を聞き、これはそこら中に蔓延している社会問題なのだと改めて実感した。

こんな事を、あたかも高速回転の走馬灯のように、焦った頭で3秒ほど思い返し、次の3秒で「ここは、絶対に阻止しなければダメだ、また同じ後悔をするぞ!」と自分を奮い立たせ、次の3秒で断り文句を考えた。

製作キットもある走馬灯

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まな板の上の鯉、何とか逃げる!

……

「あの、ちょっと今日は心の準備ができていないので…」

この切羽詰まった状況で、思いついたのがこの台詞。

明らかに、歯医者は「えっ?」というリアクション。なにせ、削る気満々のスタンバイ状態なのだ。こんな椅子に寝かされて、あとは切られるのを待つだけの「まな板の上の鯉」のような患者が異論を唱えるとは予想だにしなかったことだろう。

そこから、サッカーのロスタイムさながらの、歯科医の怒涛の攻撃が始まる。「これは、早く治療しておかないと大変な事になる。外は大丈夫だが、中の方が悪いので全部削って被せないといけない」等々…。

しかし鯉はもう逃げ出すことを決意していた。

「本当に、申し訳ないんですけど…」とか「気にかけていただいて本当にありがたいんですけど…」といった、「相手の怒りを鎮めるセリフ集」から引っ張り出したような言葉をいろいろと並べ、なんとか帰ることができた。

とりあえず、めでたし、めでたし。

その2へ続く

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