~Fight 一発 アドレナリン~
「すみません。もしかして相手の方ですか?」
心配顔で近くにいた、ある男性に尋ねる。
「いいえ、違います。」
「じゃあ、助けてくださったんですね。ありがとうございました。」
深々と頭を下げつつ、次なるめぼしい人物を探す。
あの女性かも?
「すみませーん。もしかして相手の方ですか?」
「いいえ、違います。」
今度は、ブンブンと両手と頭を横に振るリアクション付きのサービス。
「じゃあ、助けてくださったんですね。本当にありがとうございました。」
再度、深々と頭を下げる。
(相手はいずこじゃ〜)
更なるめぼしい人物を探すこと3-4人。
だが、見つかる気配はない。
どういう事??
ハッとする。
このまま、容疑者逃亡か???
いずれにせよ、まずは目撃者を確保しなければ!!
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情報収集
「すいませーん。目撃しておられましたか?」
手当たり次第、尋ねてみる。
親切な女性が有力情報をくれた。
「わたしは見ていないけど、あの人が見ていたそうよ。」
「ありがとうございます!!」
彼女の指差す先には、「○○○便」のお兄さんが!!
果たして彼は本当に目撃者なのだろうか?
何はさておきダッシュ!
ここで疑問の声が…
(横転した割りに元気やん?)
なぜ元気?
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その原因はこちら。
アドレナリン
別名【恐怖のホルモン】と呼ばれている。
恐怖や怒りや不安で、このホルモンが分泌されると、動けすぎるか動けなくなるかの両極端となる事があり
【fight or flight】
【闘争か逃走か】
のホルモンとも呼ばれるそう。
(英語も日本語もうまいこと言うな〜。山田くーん、座布団5枚あげて)
これが分泌されると、血まみれの怪我をしても全然痛みを感じないこともあるそうな。
実際、バイク事故で足が切断されても、そのまま2キロ走ったライダーのニュースも以前にあった。ツーリング仲間が、足を拾ってきてくれたという、なんとも伝説のような本当の話。
つ・ま・り
かなりの大事故でも、人間は脳が興奮状態のため、元気そうに動けてしまうのだ。
(自分を騙せるなんて、恐ろしい物質やな〜。薬になったらバカ売れするんとちゃう? アナドレナインなんて名前はどうや?)
確かにすごいパワーを秘めているホルモンだ。しかし、残念ながらこれが命取りになってしまう事例も少なくない。事故直後の事情聴取を普通に受けていた人が、翌日に亡くなってしまったということも実際にあるそうだ。
では、では、目撃者は無事捕獲…いや確保できたのか?!
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