~冷静な動転~
20××年12月30日。午前11時30分。人々は大晦日イヴのこの日、正月を迎える準備のため(であろう)せわしなく動いていた。
かく言うわたしも、友人宅で一緒にランチをするため、朝から腕を振るって、ナポリの職人もびっくりのピザやら、デパ地下もどきの惣菜やらを作り、車に積み込んでいざ出発。
(随分、ナポリとデパ地下を侮っとる発言やな~。職人さん達にに謝りや!)
はい、すみません。自信過剰でございました。
そんなこんなで、途中Mと友人1名を拾い、目的地へと向かう。
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事件発生!
幹線道路の信号をゆっくりと右折。
反対車線は信号待ちの車で渋滞中。(そりゃ、晦日ですから…)
注意しつつすぐ先の交差点を通過っ??と思ったら、いきなりドスンッと衝撃を受ける。
何 なに なにぃーっ!!
と言っている間に、ジェットコースターがカーブに差し掛かる時のような、斜め45度からの急激な傾き。
バキ バキ バキーッ!!
(…これまでよく、交通事故に遭った方々に聞いていた。その瞬間がスローモーションのように非常にゆっくりに感じると。まさにその通りだった。あまりのスローさに思考回路までスローになってしまった錯覚に陥る。)
訳も分からず、90度に傾いて停止。助手席を下にシートベルトで宙吊りになっているあたり、まさにジェットコースター故障による緊急一時停止さながら。
(なんだか分からないけど、どうやら交通事故らしい。)とりあえずは、安否確認せねば。
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安否確認
自分:「大丈夫? だいじょうぶーっっ?」
M:「だいじょうぶーっっ」
友人:「だいじょうぶーっっ」
こだまでしょうか? いいえ だれでも。 金子みすゞ童謡集より
返事が返ってきてホッとする。とりあえず良かった。
こうして、まずは同乗者の生存確認 完了。
次は、何を?!
分かるのはただ、散乱しているガラス破片。
走り寄ってくる人達。
そして、わたし達を助け出すため、協力して車を起こそうとしてくれる奇特な方々。
だが、ハッと気付く。このまま車を戻したら、ガラスや衝撃で更なる怪我人が!
自分達も更なる衝撃を受けるに違いない!
ダメだ。絶対に車を動かしてはならない!
そんな事を、コンマ何秒間で考える。
(割と冷静やね~)
「だめ だめ だめーっ!!起こさないで下さいっ!!」
まるで【寝不足続きでやっと迎えた休日の朝】のような台詞を、この度は絶叫した。大げさに両手を振ってアピールしながら。
さて、ここから、どうやって出るんだ?
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