交通事故編 斡旋から示談まで ☆PART11

~徐々に見えてきた真相~

 

お巡りさんによる、超攻撃的な事情聴取も終わるころ。

どうやら相手は、コンビ二の駐車場の隅でたたずむ高齢男性らしい事が分かってきた。

が、彼は、それまで決してこちらを心配して近づいてくることはなかった。

「被害者は無事なのか?」…そんなことは意に介する様子もまったくなしに、保険屋と思しき人物と並んで、何やらこそこそと話している。

(幸い、3人とも、さほど大事には至っていないが、最低限の心配はしてほしいものだ。一応、救急車で運ばれた人だっているんだし…ねぇ)

と、次の瞬間、自分の目を疑った。

なんと彼の後方に、あるではないか!

あの行方をくらましていた事故車が…

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な、なんなん、あれ~っ?!

そこには、滅多に見掛けないフォルムの、高級な香りをムンムンと漂わせているクラシックカーが。

だが、驚きはそれだけにとどまらなかった。

その車の衝突部分が、なんと!!ガムテープで、既に補修されていたのだ!!

まさか…まず修理??〔ありえんでしょ…〕

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一般常識

さて、彼が免許を取得したのは、一体いつのことであろう。恐らく半世紀余りが経過しているに違いない。その時代に、教官たちは教えなかったのだろうか?事故の際は、何より人命優先ということを…。

 仮に百歩譲って、当時は教えられなかったとしよう。しかし、一般常識から考えて、どうだろう。

自分が横転させた車両があるのに、相手のけがの状況より自分の車の心配をするだろうか?

保険屋を呼ぶのはまだいい。だが、そのガムテープは一体どうしたのだ?一体どこにあったのだ?そのスタイリッシュなクラシックカーに、ガムテープなる【超庶民グッズ】が搭載されていたとは到底思えない。と言うことは、けが人を放置して、悠長にもそこのコンビ二で購入していたのでは?

(まぁ、万引きはせんやろが…)

どこで手に入れたにせよ、そんなことは大して問題ではない。

問題は、わたしが、警官に攻められて右往左往している間に、彼はまるで他人事のようにマイカー修理に勤しんでいたということだ。そう思うと、唖然とする。

(ちょいと、あなた、何かお忘れになってません??事故の加害者でしょっ!!けが人もいるんですよ)と叫びたくなる。

さて、ここで、事情聴取のあの質問が思い出される。

「相手を訴えることはする・しない?」

今の状況から、今後の嫌な展開が予想されつつあった。

 

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