藤井聡太君、ピンチ乗り越え26連勝達成!!

 さすが、期待通り!!

今や、日本で知らない人はいないと言っても過言ではない「藤井聡太君」。

[以前の活躍はこちら!]

今日は、午前10時から多くの人たちの期待を背負って「第76期順位戦C級2組1回戦」に臨んだ。今回の試合は持ち時間が6時間という耐久力も試されるものだ。

結局、試合が終わったのは午後11時少し前。なんと、約11時間?!

果たしてこんな時間まで中学生が、仕事をしていいのだろうか?

「満18歳に満たない者を、午後10時から午前5時までの間において使用してはならない」 —労働基準法

どうやら彼に関しては、誰かに雇われている訳ではなく、あくまでも「個人事業」を営んでいるご身分のため、この法には引っかからないようだ。(ただ、記録係として未成年の奨励会員が深夜まで使われることは、問題視されている。)

彼の場合は、「将棋」という自分の大好きなことをしている訳なので、ある意味「大会目前の運動部の特訓」レベルのことを考えれば、この位の事は些細な問題だろう。

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勝利の行方

試合のお相手は瀬川晶司五段。彼も藤井君に負けず劣らずのドラマティックな棋士である。

瀬川晶司五段(47)は35歳のときに特例でプロ棋士への編入が認められた「遅咲き」の棋士。
将棋界では原則として、プロ棋士の養成機関「奨励会」で一定の勝ち星を挙げ、26歳までに四段に昇段しないとプロになれない仕組みのため、瀬川五段も「奨励会」時代にはこの年齢制限によってプロ入りを断念した。

しかし、会社勤めをするかたわらアマチュアとして将棋の大会に参加し、プロ棋士との公式戦でも高い勝率を挙げる。そして日本将棋連盟に対して、プロ入りを認めてほしいと訴えて、平成17年に特例で編入試験を受け、35歳7か月でプロ入りが認められる。この瀬川五段の特例を受けて、アマチュアや女流棋士を対象にしたプロ編入試験が制度化される…—NHK NEWS WEB参照

言ってみれば順風満帆にプロになれた人物ではないが、その苦労によって新たな道を開拓した棋士である。こうした背景を考えると、どちらも応援したくなってしまう。

試合の経過は、瀬川五段が早めに仕掛けて、「まずまず」(本人評)といった滑り出しだった。やはり、どの対戦相手も何とかこの連勝記録をストップさせたいに違いない。「我こそは!」と綿密な作戦を立てて臨むのは当然だ。そして、うまく攻め込めたと思えた。

しかし、勝負の世界は最後まで見なければ分からない。途中藤井君が立て直し、さらに瀬川五段も盛り返す。なかなかの攻防戦だ。最後は持ち時間を使い果たし1分以内で指さなければならない状況に追い込まれた瀬川五段が投了した。

ところで、珍しく藤井君ががっくりと頭を垂れたシーンもあった。

ことわざで表すならば、「猿も木から落ちる」「弘法にも筆の誤り」といったところか?

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勝因はどこに?

PHOT BY スポニチ

解説者が,この度の勝負を、「有利な時間が長かった者が試合を制する」といった某人の名言でまとめていた。

42手目には、1時間16分をかけて考慮する場面もあったが、これはデビューして初めてのことである。ということは、基本的には長考というよりも、直観的なひらめきで、たとえ不利な状況でも乗り切ってしまえるタイプなのだと思う。

試合後のインタビューでも、騒がしく切られる猛烈なシャッター音とフラッシュの中、「まぁ、…そうですね…」といつものような冷静さと大人の様な話し方で対応していた。こうしたメンタル面も強さの一因だと感じる。

それにしても、記者たちはなぜあれほどシャッターを切るのだろうか?猛烈な雹に見舞われた屋根のごとく、もしくはタップダンスのクライマックスのごとく、彼の声が全くかき消されてしまうレベルの騒々しさだ。動きの多いスポーツの一コマを撮影するなら話も分かるが、ほとんど動きのないうつむき加減にとつとつと話す少年に、なぜそこまでシャッターとフラッシュを浴びせるのか?光過敏性発作(通称:ポケモンショック)にでもなったらどう責任を取るのだろう?報道陣のあり方に疑問を感じた。

次の公式戦は2日後、朝日杯でアマチュア・藤岡隼太さん(19歳の現役東大生!!)だ。

PHOT BY 朝日新聞デジタル

報道陣にとってこのまま勝ち続けてくれれば「嬉しい!特ダネ!!」というのは分かるが、やはりもう少し配慮がほしいものだ。

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